王麗敏弁護士が綴る日中法律の架橋ブログ

日中間の法律の違いを分かりやすく説明した法律エッセーを中心に掲載しています。
上海日本語コミュニティ情報誌『MARCO』などで発表した記事や、日本や中国で出会った方々についてコメントを寄せています。

ご意見、ご要望がある方は、 wanglimin@allbrightlaw.com までご連絡下さい。

中国(上海)自由貿易試験区

上海自由貿易試験区はあと29日スタートする。フェースブックは区内で自由に使えるかどうか、期待されている。あと2日で答えがでるであろうか。金融、サービス業では、いままで外資に規制している分野では、ある程度開放されるであろう。

東京でオリンピック開催決定を迎える

なかなか、自分のページに入れなくて、今日やっとアクセスできました。東京にきていますが、なにより、嬉しいのは、東京で、東京オリンピック開催決定という日を迎えました。水道橋で号外をもらってきました。永久保存ですね。

見えるものがくれる安心感

中国の諺に「眼不见为净」(見ていなければ煩わされず、心の安らぎが得られる)というものがある。しかし、私にとってこの真夏に「見えて安心」といものがある。それは蚊取り線香である。蚊除けのため、おそらく人類はつい最近まで何かを燃やして煙を発生させ、蚊を寄せ付けないようにしてきたのであろう。しかし、いまは煙の出ない「電池的」なものになってしまった。
ところが、無煙式の最新機器は私の場合あまり効かないような気がする。昨年、伝統に戻ろうと閃き、煙の出るいかにも効きそうな蚊取り線香にした。その煙を見てその匂いを嗅ぐと、このような過酷な空気では蚊も無理であろうと思った。実際、そのとおりに蚊たちは寄ってこなくなった。気のせいか、煙なしより効きそうである。
法律の世界となると、見えそうで見えない基準、つまり、抽象的に規定されていて、具体的に運用することが難しい基準は少なくない。抽象的で中身が見えない、解釈によりその中身が変わる可能性がある基準となると、大変不安になる。
何々に関して新法または法改正された、具体的にどのように対応すればいいのか、相談を受ける。大抵はそれが抽象的で理解しにくい、実行しにくいものである。弁護士もその回答を知りたく、いろいろと調べまくる。多くの抽象的な規定は、具体的な事象に当てはめる過程の中、運用細則の制定、司法解釈等により具体的な基準が見えてくる。自己の業界、ビジネスに関連する法的なルールは、抽象的に見えても、そのルールと関連する具体的な事象を追跡することにより、明白になるであろう。
(上海日本語コミュニティ情報誌『MARCO』2013年7月号掲載 / 筆者:王麗敏弁護士)

ご縁に任せる

ある宴席で、中国語のほとんどわからない日本の方が、「随意」という中国語を口にされたことに大変驚いた。よく考えたら、中国では宴会の場で「乾杯」と称して強烈なお酒「白酒」を勧めるのが一般的である。そのため、「随意」と話せば、その場を凌ぐことができるため覚えたのであろうと思った。その後も実際に「随意」と中国語で話して、その場を無事やり過ごした日本の方を見かけたことがあった。
先日の上海O型会で会員たちと雑談していた際、中国語でよく使われる「随便」との違いが話題になった。「随意」は、「随你的意」、「随我的意」あるいは「随他的意」となり「意思に従う」という意味だが、「随便」は、多くの場合「随你的便」、「随他的便」として「ご自由に」という意味で使われる。その時、ふと仏教に由来する「随縁」という言葉も思い出し、皆さんにお話したら、「いいね」とフェイスブックの定番語で評価された。
ちなみに、古都・南京に「随園」という庭園があると聞いている。「園」は「縁」と同じ発音だから、縁に任せる、または人が集まる「園」には「ご縁」が隠れているという意味で名づけられたのであろう。
昨今の目覚しい世相の変化で「坐立不安」(居ても立っても居られない)の境地に陥る際には、ご縁に任せようと心構えを変えてみてはいかがであろうか。もっとも、「随縁」とは何もしないで奇遇を待つのではなく、「人事を尽くして天命を待つ」と同様に最大限努力し結果を待つことだと思う。世の努力家たちに良縁が訪れることを願う。
(上海日本語コミュニティ情報誌『MARCO』2013年5月号掲載 / 筆者:王麗敏弁護士)

署名は慎重に・・・

早稲田大学に在籍していた頃、会社法の授業で「記名捺印」の法的な意義を学びました。担当教員だった尾崎安央教授は、何をもって記名になるかを熱っぽく語り、今でもその光景をはっきり覚えています。
日本では、一般的に会社名義の書類の場合、社印及び代表取締役の署名をもって、正式に法的な効力のある文書になります。個人の場合、署名と実印をもって文書を作成した者の真意が証明されます。
中国では、会社の書類の場合、社印があれば、会社名義のものであると推定され法的な効力を有します。個人の場合、印鑑はその出番が無いと言ってもいいほどあまり機能していません。印鑑を持ち歩くことはごく稀です。欧米並みに署名、つまり自署が重視されます。中国では、個人に印鑑を押してくださいと言われたとき、気安く押しますが、署名してくださいと言われると、大抵の人は慎重になります。大事な文書は印鑑より自署を求められるのです。
近頃、社印なし、または自署なしの書類に関して相談を受けるケースが増えてきています。皆さんも、社印の捺印、名前の自署に慎重に対応し、相手方から受け取った法的な書類に必要な捺印と署名があるか、確認を怠らないようにして下さい。あとは日付も忘れずに確認しましょう。
(上海日本語コミュニティ情報誌『MARCO』2013年3月号掲載 / 筆者:王麗敏弁護士)
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